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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第12章 アズの過去

二人で過ごす時間は、過ぎるのが早い。
時計を見るとすでに夕方になっていて、私は帰宅の準備を始めた。
帰りも電車で帰ろうと思っていたのに、アズが車を出してくれた。
車の中で手を握ったまま、アズが言う。
「車だったら、こうして送る間も一緒にいれるでしょ?しかも二人きりでいられるんだから。」
「でも、遠いし運転疲れるでしょ?」
「サラと一緒にいられる時間が増えるなら、疲れるなんて思わないよ。」
信号が赤になりアズが、優しく微笑んで、私の頭を撫でる。
「サラは、遠慮しすぎだよ。もっと甘えていいんだからね。俺も甘えてもらえると嬉しいし。」
「いつも甘えてるよ。」
「もっと甘えてもいい位だよ。」
フフッと笑ったアズの横顔は、優しかったけど、少ない休みの日は、少しでも休んで欲しいと思ってしまう。
「アズ。私も嬉しいけど、休む時はちゃんと休んでね。アズの体が、心配だから。」
「ありがとう。心配してくれて、嬉しいよ。」
アズが気になるようになってから、アズの仕事の大変さを知った。
雨の日などは、傘もささずに、水を含んだ重いダンボールを運んでいたり、時間がおせば休憩時間もなく、お昼を食べてない時もある。
休みだって少なくて、変則的で、忙しい時は連勤だったりする。
いつもアズの姿を見ているからわかる。
だからこそ、無理はしないで欲しい。
貴方がもし、体を壊したとしても、私は側で看病する事は出来ないのだから…。

