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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第16章 お揃い

「………。」

「………。」


お互い沈黙が続く。

重なり合った体は温かいのに、気持ちは急速に現実へと引き戻されて、冷めてくるのがわかる。

悲しい事だけど、甘い時間はあっという間に、終わりを告げる。


「サラ…そろそろ出ようか…。」

「うん!そうだね…。」


シャワーを浴びて、お互い無言で服を着て、身支度を整える。

着替えるアズの背中を見ていると、さっきまで、あんなに近かったアズが何だかすごく遠くに感じてしまう。

潤んだ瞳を見られたくなくて、下を向いて洋服のボタンをしめていると、アズがその手を握った。

ビックリして顔を上げると、さっきまでと同じアズの優しい笑顔がそこにあって、我慢していた涙がポロポロと落ちた。


「サラ…?大丈夫だよ。側にいるから。寂しくなっちゃった?」

「うん…。」

「もう、めっちゃ可愛い。また会えるから。そんな顔しないで…。ねっ。」

「うん…ごめんね。」


私の頬を流れる涙を指で優しく拭って、そこにチュッとアズがキスをしてくれた。


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