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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第4章 きっかけ

お兄さんの隣に行き、私は返事をした。
「袋なんて入ってましたっけ?」
「うん。入ってたよ。あれが入ってると運ぶ時、そのまま行けるから楽なんだよ。」
「そうなんですか。わかりました!あとで私が入れておきます!」
「ありがと!よろしくね!」
そう言って、私に微笑んだ。
スッと上がった切れ長な瞳が、クニャッと下がるこの笑顔に、私はいつもドキッとする。
いつもは遠いその笑顔が、今はこんなに近い。
近くで見ると余計に素敵かも…。
ドキドキ…。
何だか恥ずかしくて、瞳をそらすと、お兄さんがクスッと笑った。
「じゃあ、よろしくね!」
そう言って、私の肩をポンと叩くとドアの外に出て、身軽にパッカー車に乗り込む。
ドアから覗く私にお兄さんが“バイバイ!”と片手をあげた。
照れながら手を振る私の前を、颯爽とパッカー車が走っていった。

