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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第23章 嫉妬と怒り

「ただいま!紗蘭、もう大丈夫なのか?」
玄関まで行くと涼に抱き締められて、そう聞かれた。
久しぶりの涼の腕の中。
アズよりも背が高くて、ガッシリした涼の体。
大きなその腕の中に私はスッポリとおさまってしまう。
ギュッと力が入る涼の腕に私は、そのまま身を任せていた。
「体調が悪いのに、側にいてあげられなくて、ごめん。実家に帰っていたのか?」
「ううん。」
「そっか。一人にさせちゃって、悪かったな。」
「……大丈夫だよ…。」
出張帰りの涼は、やはりどことなく、疲れているようで、顔色もすぐれない。
今、すぐに言うべきではないよね…。
しばらくぶりに会った涼。
本当ならすぐにでも、アズとの事を話したかったのだけど、自分も疲れているのに、私を心配してくれる涼に私は、真実を話せずにいた。
「どうした?まだ体調悪いか?」
体を離して私の顔を覗きこんだ涼の顔は、すごく心配そうにしていて、私の胸はキリッと傷んだ。
「ごめんね!もう大丈夫だよ。仕事ももう行けるから。」
「そうか。無理はするなよ。」

