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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第23章 嫉妬と怒り

部屋に入っていく涼の後ろ姿を見つめていると、涼との思い出が色々と浮かんできた。
私を大切にしてくれているこの人を、私は今から不幸にしようとしている。
私を信じて愛してくれていた涼を、騙して裏切った私の話を涼は、どんな気持ちで聞くのだろうか?
ごめんなさい。
何度も心の中に溢れてくるこの思いを、ちゃんと言葉にして伝えなくては…。
部屋着に着替えて、リビングにやって来た涼に、私は言葉を掛けた。
「ねぇ、涼。大事な話があるの。座って聞いてくれる?」
「あぁ、どうした?かしこまって。」
「あのね…涼。私ね…。」
「…うん?」
次の言葉を待つように、涼が真っ直ぐに私を見つめている。
静まり返った部屋で、沈黙が続いた。
重い空気に、涼がはぁーっと、大きなため息をついて、瞳を閉じる。
そして、ゆっくりと口を開いて私に聞いてきた。
「病気の事か?」
「ううん。違うの!あのね…。私ね…。」
「浮気相手の話か…?」
「えっ?」
まさか、涼がそんな事を言うとは思ってなかったから、私はすごく動揺した。

