この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
PM2時〜パッカー車の恋人〜
第25章 負けない思い

「それで旦那は何て言ってたの?」
「不倫相手がいるんだろ?って言われて、別れないからって…それで…無理矢理…。」
鳴き声の混じるサラの声を聞いて、サラを見ると微かに震えている。
何だ…?
暴力でも振るわれてしまったのか…?
何かを思い出して、怯えるサラを見て、サラにこれ以上話させるのは、危険だと感じた。
「サラ、無理に話さなくていいよ。言いたくなければ、それでいいんだ。」
「ううん、大事な事だから、最後まで聞いて…お願い…。」
「わかった。ゆっくりでいいから。まずは、落ち着いて。」
ボロボロと流れる涙を見て、サラがどれだけひどいめに合ってしまったのかと、不安に思う。
自分が旦那の立場だったら、きっと冷静に話を聞く事なんて出来ないだろう。
きっと、どうにもならない怒りをサラにぶつけてしまうだろう。
サラが話しを続けられるまで、俺はただジッと、サラを見つめていた。
二人の間に沈黙が流れ、何かを決意したように、サラが涙を拭うと、真っ直ぐに俺を見つめる。
それに応えるように、俺はサラに笑顔でコクンと頷いた。

