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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第25章 負けない思い

「あのね、アズ…。」
「うん…。」
サラの次の言葉を待つ俺は、ゴクッと唾を飲んだ。
ただならぬ緊張感が、二人を包んでいるから。
「旦那さんに無理矢理、抱かれたの…。」
「うん…。」
「避妊してくれなかった…の。妊娠しちゃったら、私…アズとは…もう…。」
そう言って再び涙を流し、震えるサラを、俺は力一杯抱き締めた。
やっぱり、そういう事だったか…。
何となく予感していた内容に、俺はあくまで冷静でいられた。
「サラ。大丈夫。よく話してくれたね。サラは、それでも旦那と離婚したくないの?」
「アズと一緒にいたいけど、赤ちゃん出来ちゃったら、アズとは一緒にいられない!」
俺の腕の中のサラが、珍しく声を荒げてそう言った。
「サラ、落ち着いて聞いて?サラは俺と別れたいの?俺は今それだけを聞いてるんだよ。赤ちゃんとか関係なく。俺と別れたいの?それだけを答えて。」
「……別れたくないよぉーっ。アズと一緒にいたい。」
「だったら答えは、決まってるだろ。別れる必要なんてない。別れるのは、旦那の方だ。俺と一緒にいればいい。」
「アズ…?」
まだ涙が溢れて止まらないサラが、俺を不安そうに見上げるから、俺は優しくサラに微笑んだ。

