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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第27章 妻の男

「久遠青音…さんですね?」
一瞬ビックリした表情を見せた彼が、急にキリッとした表情を見せて、俺の質問に頷いた。
「はい!星野さん…。」
「あなたに話が合って、今日はきたんだ。」
「俺もあなたと話がしたかったので、こうして会いに来てくださって、有難いです。」
彼も、俺が紗蘭の夫だとわかったようだ。
彼に会うまでは、会ったらどう話してやろうか?等と思う自分がいたが、彼の落ち着いた雰囲気に、俺はいつの間にかのまれていた。
「星野さん、今日はお時間ありますか?」
「あぁ、今日は休みだから、のんびりできるよ。」
「車で来てるので、良かったら、俺の家で話しませんか?」
「じゃ、お言葉に甘えて。」
まさか偶然、彼に会うとは思わなかった。
今日初めて会った妻の浮気相手。
普通なら掴みかかって、怒鳴ったりするものだろうが、彼には不思議と冷静に対応する事ができた。
彼には、この海と同じような不思議な癒しを感じた。
不思議な男だ。
彼の初印象は、そんな感じだった。

