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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第28章 夫vs彼氏

俺の前でずっと同じ姿勢の彼に声を掛ける。
「とりあえず、座ってください。君の気持ちは、よく分かった。」
「はい…。」
静かに返事をした彼がまた、俺の正面に座った。
「久遠さん、俺もね、君と同じように、紗蘭の事を愛しているんだ。」
「はい。」
「君よりも、もっと長い年月彼女と一緒に積み重ねてきたんだよ。」
「はい。」
「君が言いたい事も、よくわかるんだ。でもね、紗蘭は俺の妻で大切な人だ。簡単に別れる事は、出来ないよ。」
「はい…。」
彼にどうしても聞きたかった。
俺が別れないと言ったら、彼はどうするのかと。
彼の事だ、別れる気はない。
関係は続けると、ハッキリ言うだろう。
でも、それでも、ハッキリと聞きたかった。
俺を前にして、そんな険しい道を進む覚悟があると、彼は言うのかどうか。
そして、彼はどんな思いでこれからを考えているのかを。

