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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第29章 出された条件

次の日、約束の時間に家のインターフォンが鳴った。


「こんにちは!久遠です!」

「アズ、今開けるね。そのまま中入ってエレベーターで8階まであがってきて。」

「サラ、ありがとう。」


インターフォン越しのアズの声は、すごく落ち着いている感じがした。

どうして、そんなに落ち着いていられるんだろう…。

私は眠れないほどに、不安だったのに。

そんな風に思いながら、アズが部屋に来るのを待った。

もう一度インターフォンが鳴ったので、ドアを開けると、スーツ姿のアズがそこにいた。

普段見た事のないアズのスーツ姿に、ドキドキしてしまう。

そんな私の視線に気付いたアズが、照れ臭そうに笑った。


「似合わないんだよね。スーツ。だから、あまり見ないでよ。」


日に焼けた肌に細身のスーツのアズは、スーツは似合ってるけど、ビジネスマンというよりは、ホストっぽくて、私もふふっと笑ってしまう。

お互いに見つめあって笑っていると、奥の部屋から涼が声を掛けてきた。


「久遠さん、どうぞ中へ入ってください!」

「おじゃましますっ!」


そのままアズをリビングへと案内した。


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