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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第29章 出された条件

部屋に入り、ベッドの端に二人で座ると、アズがゆっくりと私を抱き締めた。

アズの胸に顔を埋めていると、アズが優しく私の髪を撫でる。


「サラ…落ち着いて。」

「うん…。」

「サラ、これから話す事ちゃんと聞いて。」

「うん…。」


頭の上から聞こえるアズの優しい声に、耳を澄ませる。


「この前、星野さんと会った事は聞いた?」

「うん。」

「星野さんあの日、俺とサラの事、一度も悪く言わなかったんだよ。それどころか、俺の話もしっかり聞いてくれた。本当だったら、殴られてもいいはずなのに。」


涼…あんなに怒っていたはずなのに…。

アズの話をちゃんと聞いてくれたんだ…。

一体どんな気持ちだったんだろう…。


「だからね、サラ。星野さんは別に俺達を、別れさせようとしてるわけでは、ないと思うんだ。」

「えっ?」


アズの体から離れてアズを見上げると、いつもの柔らかな微笑みがそこにあった。


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