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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第10章 初めての嘘

今まで楽しみだったアズとの職場でのこの時間。
まさか、こんなにも物足りない時間になるなんて…。
アズがくれたキスは、嬉しかったけど、私の中の欲を更に溢れさせていった。
アズに触れたいと思う気持ちは、どんどん大きくなる。
でも、アズに私からは会いに行けない。
アズの家を知らない。
アズの会社を知らない。
会いたいと電話すれば、きっとアズは、どんな事をしてでも、会いに来てくれると思うけど…。
私は時間に制限がある。
私のワガママだけで、家が遠くて休みが少ないアズを、振り回すわけにはいかない。
でも、アズと少しでも、文字だけでも繋がっていたくて、私は職場のトイレから短いメールを打った。
『キス嬉しかったよ。』
それだけ送って、仕事に戻った。
『アズ…会いたいよ…。』
本当は、そう送りたかったのに…。

