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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第10章 初めての嘘

「アズ?仕事終わって、ずっと待っててくれたの?」
「こっちに来る用事があったから、少し寄ったんだ。仕事中、サラが寂しそうな顔してたから。キス嫌だった?」
アズの顔が私の顔を覗き込んで、心配そうに見つめている。
私はすぐに首を振って、アズの胸に顔を埋めた。
何だか泣いてしまいそうで、そんな顔を見せたくなくて…。
しばらくして、頭の上から聞こえたため息。
えっ?アズを困らせた…?
心配になって顔を上げると、アズが悲しそうに私を見つめていた。
「アズ…?ごめんね。迷惑だったよね?」
「ん?何が?」
「ため息ついてたから、こういうの嫌なのかな?って…。」
「違うよ。その逆。サラをこのまま帰したくなくて。そんな自分にため息が出た。ワガママは俺の方だよ。」
「アズ…。私も会いたくて仕方なかったんだよ。だから、仕事帰りに待っててくれて、嬉しかった。ありがとう。」
やっと笑顔を見せてくれたアズ。
私もアズに微笑んで、もう一度アズの胸に顔を埋めた。
そんな私の体をアズの腕が優しく包み込んでくれた。

