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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第10章 初めての嘘

「ねぇ、アズ。夕飯一緒に食べよう。」
「え?大丈夫なの?」
「うん。今日旦那さん帰り遅いらしいから、大丈夫だよ。」
「久しぶりだね。一緒にご飯。何食べようか?」
さっきまで沈んでいたのに、一気に表情が明るくなって、バーッと喋り出すアズを見て、何だか可笑しくなってしまった。
ふふっ…。
アズは子どもみたいに、素直だなぁ。
「あっ!今俺見て笑っただろ?笑うなぁ。」
「笑ってないしっ。」
「笑ってるしっ。」
そんな言い合いをしながら、二人手を繋いでベンチから立ち上がり歩き出す。
アズの赤い車に乗せてもらって、私達は付き合いたての恋人みたいに、はしゃいでいた。
アズと一緒にいると楽しい。
時間を忘れちゃうほど…。
日常の生活を忘れちゃうほど…。
アズしか見えなくなっちゃうほど…。
私の心の中が、アズで一杯になっちゃうほど…。
ねぇ…?
アズも私と同じ気持ちなの?

