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3週間の情事
第2章 1日目



ここは何て答えるべきか――――。


気が利く空森さんを下手に誤魔化すのは、得策じゃないだろうな。


「えぇ、聞こえてしまいました。偶然とはいえ、申し訳なかったです」


不可抗力だったとはいえ、デリケートな問題を聞いてしまったことを心苦しく思って、お詫びも加えた。


そんな俺に空森さんは、物凄く済まなそうな表情に変わる。


「山之内さんに謝って頂くことは何も……私の方が、お恥ずかしいお話を聞かせてしまって、申し訳いです」


眉毛を八の字にして、空森さんは直角よりも更に深く頭を下げた。


あぁ……本当に、謙虚な人だよな。


これ以上この話を続けるのは、空森さんを追い詰めてしまいそうな気がしたから


「先ほどのお話は、聞いてなかったことにしますので。誰にも言わないから安心して下さい」


本気でそう言って、軽く会釈した途端――――


「お願い! 3週間だけ私と付き合って!」


空森さん悲痛な声で、床に脳天が付きそうなくらい更に頭を下げてきた。


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