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3週間の情事
第2章 1日目
自分の分のコーヒーと、空森さんにはカフェオレを選んだ。
二人分のお茶が注がれるまでのほんの僅かな時間、俺なりに頭の中で整理をしておく。
空森さんは、親御さんにお見合いを勧められている。
でも空森さんは、お見合いをしたくないみたいだ。
現在付き合っている人がいて、今度親御さんに紹介する予定だ。
日本に帰って来た時に――――
そう言っていたよな?
彼氏が海外出張にでも出ていて、簡単には帰ってこれないから、話を聞いていた俺にダミーでも頼みたかったのか?
いや……
そんな手の込んだことをしなくても、電話して親御さんと話して貰えば済むよな。
突然の出来事に、何故か俺は真剣に考え込んでしまった。
自販機の給湯口が、赤く光る。
二人分のカップを持って、テーブルに向かって行く。
「空森さん、カフェオレでいいですか?」
「は、はいっ! ありがとうございます!!」
ほのかに甘い香りが漂うカップを空森さんの前に差し出した。