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3週間の情事
第2章 1日目
さして飲む気がしない二杯目のコーヒーを少し口に含むと、味気なく感じる。
だけど間を持たせるのに、ほかに方法が思い付かなかった。
問題の主は泣きそうな顔で湯気が立つカップをジッと見付ている。
掛けている眼鏡のレンズが曇りそうだ。
話……俺から切り出していいのかな?
何となくその方が良いような気がして、カップをテーブルに置いた。
「あの……3週間だけ付き合うって、どう言う意味で取ればいいのでしょうか?」
誰かに聞こえるかもしれないことを考慮しながら、静かに空森さんに問いかける。
空森さんは何か言いたげに唇を開こうとするが、直ぐ様唇を噛んで俯いてしまう。
きっといっぱい、いっぱいなんだろうな……。
業務も始まってしまうし、今詳しく聞くのは酷かもしれない。
「空森さん、もう仕事も始まりますから、このお話はまた改めて聞かせて頂きますか?」
俺の提案に空森さんは顔をあげ、少し困惑したような表情をした。