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3週間の情事
第3章 2日目
「確かに、そう思っているのかもしれません。実は私が中学の時に父は病気で亡くなっているんです」
「えっ……中学生の時って、早いですね」
「はい……凄く優しい父でしたので、ショックでしたが、母は毅然と女手一つで私を一人前になるまで育ててくれたんです」
突然知らされた真実は、俺をかなり動揺させた。
「素晴らしい、お母様ですね」
「はい、とても尊敬しております」
物静かだけど芯がしっかりと通っているのは、お母様の教育もあったのだろうけど、苦労している親の姿を見て来たからなのもあるのだろう。
「だからでしょうか……社会人になったばかりの時から、結婚、結婚煩いんですよ」
そう言いながら空森さんは、切なそうな表情を浮かべていた。
今回のことは娘を想う深い親心が絡んで居るだけに、簡単に済ませられることではなさそうだ。