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3週間の情事
第3章 2日目
女手一つで育ててきた愛娘か――――。
予想でしかないけどお見合い相手も、厳選しているんじゃないかな……。
それを断るために仮初の恋人役をするのは、かなり気が引ける。
「お見合いしたからって、必ず結婚しなくてはいけない訳じゃないですよね? ものは試しにお相手に会ってみるとかは?」
もしかしたら、空森さんに取って凄く良縁になる可能性だってある。
だったら俺が恋人の振りをして、せっかくの縁を壊してしまったら申し訳ないよな。
うん……
あり得なくはない。
「空森さん、お見合いに……」
「お見合いは。嫌なんです!!」
空森さんは悲痛な声で叫ぶと、勢いよく椅子から立ち上がり、床に正座をして座ると
「山之内さん、3週間! いえ母に会う3時間でもいいです! どうか恋人の振りをしていただけないでしょうか!」
一気に捲し立てるようにそう言って、おでこが床にそうなくらいに土下座してきた。