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3週間の情事
第4章 3日目
あ……調べたんだ。
「えぇ、割烹良いですね。落ち着いて話せそうですし」
折角空森さんが検索してくれたから、そのお店に早々に決めることにしたが――――
「はい。個室みたいになっているので、周りの目も気にならないかと」
「……ですね」
空森さんはスマホを握り締めて、目を輝かせてそう言ってきた。
天然かな?
確かに誰が見ているか分からないから、個室の方が作戦会議はしやすいけど、いきなり二人っきりの空間に抵抗はないのだろうか?
外国にいる彼氏とか、大丈夫なのかな?
色々疑問が湧くけど、取り敢えずは落ち着いてから話をした方が良いだろう。
「ここからどれくらいですか?」
「はい! 裏の通りなんですけど、10分程も歩けばお店があります」
「距離的にも良いですね。わざわざ調べて下さりありがとうございます」
「いえっ! 調べるの好きなんです!」
「ははは! そっか、空森さんらしいですね」
「そ、そうですか!?」
正直に言った言葉に、空森さんは嬉しそうに照れている。
俺たちは他愛無い会話をしながら、割烹亭に向かった。