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3週間の情事
第4章 3日目
「凄い……見た目からして美味しそうですね」
「ですね。空森さん、選ぶの上手いですね」
「そんなことないです! い、頂きましょうか」
「ははは、そうしましょう。お腹空きましたよね」
割烹亭は町中なのもあって、門構えは大きくなかったけど、中は広くて落ち着く雰囲気だった。
個室も沢山用意されていて、2人で丁度いい広さの場所を選んだ。
値段もお高くなくお手頃で、その上高級感も味わえるから『デート』にはもってこいな穴場だろう。
表向きは『デート』だけど、本題の『作戦会議』をするのもあって、今日はお酒はなしにしておくことにした。
元々、空森さんもお酒は強くないとのことだった。
「頂きます」
丁寧に料理に手を合わせて、箸を取る空森さんの所作は指先まで綺麗に思える。
きっと親御さんが空森さんのことを思って、礼儀作法も身に付けさせたんじゃないかと、予測してしまった。