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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第2章 声なき悲鳴
──…
任務初日の夜になった。
ガードマン達はそれぞれの持ち場で見張りをしている。
「…さて」
屋敷内部の担当になったスミヤは、玄関が視界に入る中央階段に立っていた。
手にした端末機には監視カメラの映像が映し出されている。
だが、ここまで部屋数が多いと とても網羅することはできなかった。
隠し通路も多いこの屋敷では、カメラの映像はあまり役にたたないだろう。
けれど仕方がない…
セキュリティの万全な都心のマンションに移ることを進めたが、警護対象者であるマリアはそれを激しく嫌がったのだ。