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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第2章 声なき悲鳴

わがまま娘だ。

彼女宛てに脅迫状が届いたらしいが、命を狙われている自覚がちゃんとあるのだろうか…。

非協力的なマリアの態度には、辟易( ヘキエキ )してしまうスミヤだった。


ポツ ポツ ポツ


外は雨。

窓には雨粒が滴っている。

雨の音は、侵入者の足音を消してしまうからさらに厄介だった。



“ 深夜1時か…… ”



ピピ..


「こちら東城。玄関付近は異常なしです」


定時になり無線に報告を入れたあと、2階にあるマリアの寝室に向かって移動した。


「僕は今から寝室の警護を引き継ぎます。予定通り、交代後に〇〇さんは仮眠を3時間取って下さい」


『──…待て!こちら 〇〇 』


「……!?」



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