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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第5章 任務終了


翌日。

外は思い出したかのような激しい雨で、仕事へ向かったブレット氏の表情も険しかった。


主のいない昼の屋敷で

姿を現さないリリアをひとり、ピアノルームで待つスミヤ。


いつまで待とうどもやって来ない状況で、スミヤは白いグランドピアノに寄りかかり、不敵にほくそ笑んでいた。


そうか、ついに鎖( クサリ )まで───


それなら、僕が引きちぎってやらなきゃね。



居場所ならわかっている。

彼は部屋から移動した。

屋敷に設置された監視カメラの位置、その角度を、改めて確認しながら。






───…





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