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声を忘れた歌姫 ~ トラワレノ キミ ~
第6章 報酬は、刹那的な温もりで
彼女のほうからキスをせがむから、顎を捉える必要はない。
腰を引き寄せた後のスミヤの手は彼女の身体のラインをたどり、絹地のワンピースのボタンを外して…華奢な肩を露にする。
その下に身に付けている筈の下着もない。
無防備にさらされたふくらみを掌で包んだ。
反応したリリアが身体をピクンと縮こまらせたから、ゆるめられたワンピースは重力に従って滑り落ちた。
彼女の腕にかろうじて引っ掛かっている…。
「…ん…、…フ」
スミヤは長い睫毛を持ち上げ、目を開けた。
余裕のないリリアの舌が可愛らしい。
先走ろうとするそれを、からかうように翻弄しながら、湿った音をたてて吸ってやる。
そうするうちに彼女の頬は上気して…
苦しそうな、なんとも言えない表情をスミヤに見せていた。
それを確認したスミヤはタイミングを見計らい──
絡ませていた舌をほどき、それまで受け入れていた唇を離して顔を後ろに引いた。