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わけありっ、SS集!
第2章 ぎゃるかのっ!

普通に考えて、俺が言ったの正論だよな? あっちが非常識だった。なのに、やっぱりギャルとはいえ女の子に酷い言葉を言って怒らせてしまったことには、少なからず罪悪感を抱いてしまっていた。怒りがおさまると、なおさらそっちの感情が強くなる。
もし会ったら嫌だなーという気持ちから、俺はあのゲーセンとその周辺を避けて遊ぶようになった。
そして無事、そのギャルの子に会うこともなく平和に一ヶ月が過ぎた頃。
久しぶりに例のゲーセンに行こうと、友人たちに誘われた。
しぶる俺にそのうちの一人がたたみかけてくる。
「もういないって、この前の子。あれただの逆ナンだろ? 他に遊ぶ子見つけてるよ。おまえのことなんて、もう眼中にないって」
「……だよなー」
それもそうだな、と思う。彼女を気にしすぎる自分が、ちょっと自意識過剰に思えて俺は苦笑した。
その日は久々に、馴染みのゲーセンで音ゲー三昧だった。大通りから外れた場所にある小さなゲーセンだから、小さいし人もいない。このこじんまりとした感じが好きなのだ。
音ゲーを始めて二時間ほどたった頃。
それは不意討ちだった。
「りゅ、りゅっちゃんっ」

