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わけありっ、SS集!
第2章 ぎゃるかのっ!

前はあれだけ喋りまくってたのに、今は無言で、だけど何か言いたそうにひたすら俺を見つめてくる彼女。ふいに、薄い眉がハの字に歪んだ。
「もう、ギャルやめたのでぇ、ミサ……じゃなくて、わた、わたしと、付き合ってくださいっ」
「…………は?」
何その、たどたどしい敬語。若干語尾伸びてるし。
「ギャル、嫌いなんです、よね!? ギャルやめたんで、付き合ってくだしゃいっ」
今度は噛んだ。
「いや、別に君がギャルだからって理由だけで、断ったわけじゃ……」
「ええじゃあなんでえ!? ……ですか?」
「取ってつけたように『ですか』をつけなくていいから。てか敬語じゃなくても。初対面だったし、会っていきなり好きって言われても、からかわれてるのかなって……」
そこで彼女の目付きが変わる。きっと俺を睨んで、
「違うううう! ミサからかってなんかなかったしぃ! ミサはあ、インスピレーションでしか恋できないのっ! ミサ、ホントにっ……りゅっちゃんのこと……っ」
「……へっ?」

