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わけありっ、SS集!
第2章 ぎゃるかのっ!

今度はなんと、泣き出してしまった。さすがに焦る。
おろおろと視線を移ろわせる俺。ど、どうしたら……。
彼女は声をあげて泣きながら、わめいた。
「ミサ、りゅっちゃんのためならギャルやめる! 髪だって黒くしたし、メイクも薄くしたし、服だって……っ」
「う、うん、見てわかるけど……」
「髪も肌も痛んでるけどちゃんと手入れもするからぁ! 汚い言葉も使わない、敬語するぅ!」
いや、敬語するって日本語からしておかしい。
「あ、あんまり騒いじゃ……」
わんわん泣きながら訴えてくる彼女の声はゲーセン内に響きわたり、何事かと客たちが集まってきていた。
ふいにがばっと、抱きしめられる。
慣れない女の子の柔らかい感触にどぎまぎしながらも、この状態で突き放すのも……。
抱きしめ返すこともできずに、しょうがないから彼女の肩に両肩を添えた。
泣き声が、少し小さくなった気がする。
「別に、友達から始めればいいんじゃないの?」
「ちょっと……いい子そうだし」
「ついでに童貞捧げたら?」
男友達の言葉も、俺の背を後押しした。
「はぁ……」

