
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
わけありっ、SS集!
第2章 ぎゃるかのっ!

にぱにぱ笑うミサキ。服装とメイクはもうギャルじゃない。むしろ清楚系だ。
あれ、怒ってなくない?
「ぎゃ、ギャル文字が送られてきたけど、俺……何かした?」
「えっ?」
言い訳をしても火に油になると思い、単刀直入に聞いた。
ミサキは一瞬ぽかんとして、盛大に爆笑した。
「違うよ! きょ、今日半年の記念日じぁゃんっ。だから一緒に祝いたくて、でも、は、恥ずかしいからっ! あ、暗号で送ったのっ」
暗号。今度はこっちが爆笑する番だった。
確かに、俺にとってギャル文字は暗号だけども。
ふと思った。
もしかしたら、ミサキにとってのギャル文字は他に意味があるのかもしれない。今みたいに、なかなか素直に言えないような恥ずかしい気持ちを隠すためとか。
ギャルだった頃のあの、どぎついメイクやテンションも、ミサキの中の何か大切なものを隠すための、いや、守るための鎧だったのかも。
「ミサキ」

