• テキストサイズ
わけありっ、SS集!
第1章 緋狐(ひぎつね)の宝玉

 緋狐。名前の由来は真っ赤な体毛と、同じく緋色の宝石のような目。そしてもう一つ、額に埋まった赤い宝玉だった。緋狐は、美しいその姿形よりも額の宝玉に価値がある。とても高値(たかね)で売れるのだ。
 だから少年も、緋狐を探していた。
 宝玉を手に入れて母への薬代を工面するために。それが、母を救う唯一の手段だった。
 それまで少年を見つめていた緋狐は、ふいに踵を返すと山の奥へと消えた。

「あ、ま、待って……っ」

 せっかく見つけた獲物を、逃がすわけにはいかない。
 少年は川に飛び込んだ。水の深さは膝くらいまでだ。流れはやや速いけれど幸い小さな川で、向こう岸まで渡るのにそう苦はない。懸命に狐を追いかけ、少年は川を横断した。

 一度視界から消えた狐は、だけどすぐに見つかった。川から上がると数十歩ほど離れた場所で、動きを止めたまま再び少年に視線を向けていたのだ。
 少年は全力で狐を追いかけた。緋狐はまた走り出す。
 その距離は縮まることも離れることもなく、一定の距離を保ったままの追いかけっこは続く。
 すでにふらふらであちこちの関節が痛みを伴っていたけれど、気力だけで緋狐に食らいついていた。
/81ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ