• テキストサイズ
わけありっ、SS集!
第1章 緋狐(ひぎつね)の宝玉

 明らかに走る速度は落ちているはずなのに、緋狐との距離は変わらない。さすがに妙だな、と思いはした。まるで少年のペースに合わせて逃げているようだ。おちょくられているのだろうか。
 それでも、ここまできて逃がすわけにはいかなかった。擦り傷だらけの足と痛みだす肺に鞭打って、走る速度をまたあげる。
 その時ふいに、緋狐の動きが止まった。目前に、大きな岩肌が立ちはだかったのだ。緋狐は逃げる方向を変えようと、スピードを一気に落とした。その瞬間を逃さず、少年はその小さな体に飛びついた。
 両手に触れる柔らかな手応え。

「つか……まえた……っ」

 掠れた声で叫んだ。
 ようやく、幻の緋狐を捕まえた。これで母を救える。少年のやつれた顔が歓喜する。
 激しく肩を上下させながら、すぐに額の宝玉に手を伸ばした。赤い、つるつるとした親指ほどの大きさの石だ。少しずつ、少しずつ指に力をこめていく。石はまったく外れる気配がなかった。
 緋狐は暴れも鳴きもせず、緋色の大きな瞳で黙って少年の瞳を見つめているだけだ。
/81ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ