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わけありっ、SS集!
第4章 ままごと遊び

「何が朝食だ。うぜえんだよっ。毎日毎日台所に立って、くっそまじい飯作りやがってっ。……第二の母親ァ? ふざけんなよっ」

 腕を伸ばして、右手で忍の胸ぐらを掴む。そのまま締め上げると、忍は顔を歪めて潰れた蛙のような声を漏らした。

「気持ち悪いんだよっ。おまえ男だろ? のこのこ部屋に住み着いてきて、エプロンなんかつけて、なんなんだよっ」

 こいつが毎朝台所に立つたびに、俺は嫌でも死んじまった母親を思い出す。包丁がまな板を叩く音も、味噌汁の匂いも、エプロン姿の華奢な背中も。
 だけど、忍は俺の母親じゃない。胸ぐらを掴んでいる拳が当たる骨ばった体は男の体だ。いや、例えこいつが女だったとしても、母親の代わりにはなれないんだ。

「……っ」

 苦しいのか、忍の顔は真っ赤で、目の端には涙が浮かんでいた。俺は突き放すように、忍から手を離した。

「う……ごほっ、げほっ……」
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