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わけありっ、SS集!
第4章 ままごと遊び

テーブルに突っ伏して、何度も咳き込む忍。喘ぐようにぜえぜえと息を整え、俺を見上げる。
その目はしきりに何かを訴えていた。
その時になってようやく、俺自身の息も上がっていることに気付く。
……ダメだ、興奮しすぎだ。
何度か深呼吸した。激情が少しずつ引いていく。
「もうやめろよ、いつまでそうやって、馬鹿げたママゴト続ける気だ?」
ずっと俺を見上げてくるだけで何も言わない忍に、俺は静かに問いかける。
冷静に、荒ぶった感情は胸のうちに押し込めて。
「……ターちゃんが、一人でも寂しくなくなるまで」
「バカじゃねーの?」
「……バカだよ? だってターちゃんには、産まれた時からお母さんしか居なかったでしょ? そのお母さんが事故に遭った時から、僕がそばにいなきゃって……。せめておばさんが大切にしていたご飯と味噌汁だけは、ずっと食べさせてあげなきゃって思ったんだよ」
今度はぼろぼろと泣き出す始末。なんでだ。なんで忍が泣くんだ。
俺はテーブルをまわりこんで、忍の正面に立った。俺より低い身長だから困る。そっとかがんで、忍の胸元に顔を埋める。

