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わけありっ、SS集!
第9章 バイオレンスな彼女

彼女の言葉を疑問に思ったのもつかの間、神速的スピードで伸びてきた彼女の腕に、胸ぐらを掴まれていた。
「ひいっ……」
「何が一番似合う服をだ? ざけたこと言ってんじゃねーぞコラ! てめーが買って着たのはメイド服じゃねぇかよ! こんな外にも着ていけねえような服、どこで着ろってんだ!」
「い、家で……っ、俺だけのために……」
「あのなー、金に余裕があるならおまえの趣味にゴチャゴチャ言わん。絶対着ねーけど、即効破いて燃やすけどっ! とりあえず買うことだけは許す」
「それじゃ意味な……グホッ」
さらにきつく締め上げられて、俺の言葉はそこで途切れる。
く、空気の通り道が!
見ると彼女の白い細腕は、ぷるぷると震えていた。
あれは紛れもない怒りだ。
来る、罵声だけじゃなくて、拳が! 足が! リモコンがぁ!
彼女の腕力をナメちゃいけない。彼女、この間安売りしていた十キロのコメを三つ右肩に乗せて、走ってましたから!
「覚悟はできてんだろーな? 言い訳ばっかしてる悪い子にゃ、お仕置きが必要だ!」
胸ぐらを掴む手はそのまま、彼女は空いている方の手で拳を作ってみせた。
本気だ、これは本気の目だ!

