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びっちカノジョ 【2期目】
第5章 Scene.04
 
 うん、気付いてた。

 ちょっと視線を逸らせば、ぐるっと尖った耳にワシ鼻の深緑の肌をしたモンスターに囲まれていた。

「今度は…ゴブリンっスか………」

 さっきまでの獣人たちに比べて半分くらいの身長。

 杖やら棍棒やら手にしたゴブリンが、徐々に距離を縮めてくる。

「でもぉ…回復したアンタなら大丈夫でしょお?」

 一人で獣人たちを相手にして勝ったヤス。

 ゴブリンたちの見た目から、そんなに苦戦するとも思えなかった。

「いや、まぁ………。そうなんスけどねぇ……」

「じゃ、ちゃっちゃとぉ………」

「ただ、なんて言うか………」

 乗り気じゃ無いのがビシビシ伝わってくる。

「また頑張ったらご褒美あげるからぁ」

「いや…それはもう………」

 拒否られた。

 流石に、一日に両手近くハメたらイヤなのかもしれないけど、何気にショック。

「じゃあ、なによぉ」

「…何か……面倒くさくって………」

「えぇ? それじゃ……きゃあっ!?」

「て事で、逃げるっスよぉっ」
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