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びっちカノジョ 【2期目】
第5章 Scene.04
 
 いきなりお姫様抱っこで持ち上げられた。

 お腹の上でスライムがポヨンポヨン跳ねる。

「ちょ、ちょっとぉっ!?」

「口閉じてないと舌噛むっスよぉっ」

 ヤスの首に両腕を回しながら、落とされないようにしがみつく。

 アタシを抱き抱えたまま、ゴブリンたちの間を巧みに走り抜けるヤス。

 こんなに身体能力高かったとは思わなかった。

「まさか、上手くいくとは思わなかったっス」

「自分でもビックリしないでよ…」

「正直…やれると思って無かったっスけどねぇ」

 行き当たりばったりの行動に付き合わされる身にもなって欲しい。

「てか、姐御軽すぎっス」

「そんな訳無いじゃなぁい」

 お世辞でも嬉しかったりするけど。

「胸とかお尻…肉付き良いのに何でっスかねぇ」

「アタシに訊かれても分からないわよ」

 こんな会話をする程の余裕。

 アタシを抱えて疾走中。

 チラッと背後を見ると、遠くにゴブリンたちの群れが見えた。

 既に追い付かれる心配は無くなった程の距離。

 なのに、息切れ一つしないで走り続けるヤス。

「…アンタの体力も……人間離れしてない?」
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