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びっちカノジョ 【2期目】
第9章 Scene.08
一気に酸素が体内に入ってきた。
いきなり自由になって地面に倒れ込んだ。
「んぐぅっ?! ぐぅぅっ!!」
オオカミ男の呻く声。
「お、おいっ」
「なんだ、ありゃ」
「ふ、フフン…何の真似だ」
どよめくオオカミ男たち。
うん。
アタシも見上げながら、ちょっとびっくり。
「ふぐっ! んぐぅっ?!」
アタシを押さえ付けていたオオカミ男。
その顔面がピンク色の液体に覆われていた。
突き出た鼻先も、耳元まで裂けた口も余すこと無くスッポリ。
そりゃ、苦しいよねぇ。
「フフン…何の真似だと訊いてるんだがっ」
狼狽えるリーダー格。
さっさと助けでもすれば良いのに、リーダー格を始めとして誰も近付いて来ない。
「さぁ?」
「フフン…お前の仲間かっ?!」
「どーだろぉ?」
察しはついてるけど。
顔面に張り付いてるスライム。
ピンク色なんて、あの仔しか見た事ない。
「てか、良いのぉ?」
狼狽えるだけで、何もしてないオオカミ男達。
「ふぐぅっ! んぐぅっ! ……んぐぅっ………」
ほら。
バタッと前のめりに倒れちゃった。