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びっちカノジョ 【2期目】
第9章 Scene.08
月の明かりが届かないくらいに木々が多い繁る森の中。
真っ暗なのが方向音痴に磨きを掛けてくれる。
「………」
モンスターも寝るのか分からないけど、抱き抱えたスライムは身動き一つしない。
指先に力を込めて、弾力のある体を押してみる。
相変わらず手触りの良い体。
指先が食い込むほどに押しても、何の反応も示さない。
「むぅ………」
こんなちっこいのに頼っているのも癪だけど、やっぱり頼っているだけに心細い。
キョロキョロと辺りを見回しても、やっぱり真っ暗。
最早十数メートル先に何があるかさえ分からない。
「………はぁ………」
何処を歩いているのかなんて、とっくに分からなくなってる。
カラダに疲れは感じなくても、気持ちがどん底まで沈みかけてる。
適当な大木に背中を預けて座ったら、もう動く気力も無くなっていた。
「まぁ、朝になれば何とかなるでしょ」
眠くは無いけど、スライムを抱き抱えた儘で目を閉じた。
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