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びっちカノジョ 【2期目】
第9章 Scene.08
ガサガサッと数メートル先から聞こえる音。
樹に背中を押し付けるように体に力が籠もる。
物音の方向から目が離せない。
「…何なのよぉ」
思わずぴんちゃんをギュッと抱き締めていた。
頭の片隅では、はぐれたヤス達だと思いたがっている。
それでも、オークやオオカミ男達などの他種生物かもしれない可能性だってある。
気が抜けない。
口に溜まった唾液をゴクッと喉を鳴らして飲み込む。
見つめる間も大きくなっていく葉音。
距離が縮まっているのは明らか。
「ぴ、ぴん…ちゃん………。いざって時は………」
ロケットおっぱいよりも小さいスライムに頼るのも情けないとか言ってらんない。
確実に戦闘力はぴんちゃんの方が上だし。
ぴんちゃんも分かってるのか、腕の中でぷるぷる震えてる。
やる気満々なのか恐がってるのか分からないけど。
そうこうしている内に、二メートル有るかどうかの距離まで葉音は近付いていた。
アタシよりも背丈の高い、密集した繁みが揺れていた。
まだ姿は分からない。
激しく揺れだしている繁みをジッと見詰めて身構えた。