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第10章 Scene.09

　
　姐御だけに苦労はさせられないッス。

　部屋に入ったけど、速攻でホテルとやらを飛び出したッス。

「グフッ…それで何をしたら良いんだべ」

　何で着いてきたッスかね。

　しかも、モンスター同士で気が合ってるのか、ピンク色のスライスまで肩に乗っかって来てるッス。

　姐御はぴんちゃんとか名前を付けたみたいッスけど。

　ネーミングセンスとやらは分からないッスが、姐御らしい名前の付け方ッス。

「…取り敢えず……金になる物を集めるッスよ」

「グフッ………鬼畜が此処に居るべ………」

　モンスターのオークに言われたくないッス。

「………金になりそうな素材を集めるッスよ」

　わざわざ森に来てまで、追い剥ぎとかはしねぇッス。

　もっとも、追い剥ぎの方が山賊らしいッスけど。

「グフッ…素材………分からないけど集めれば良いんだべな」

　ノッシノシとスライムを肩に乗せて森の中に消えていったオーク。

　分からないのにどーやって探すのか見物ッスけど、なかなかに良いヤツみたいッス。

　未だに何の体臭もしない事に違和感はあるッスけど。