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びっちカノジョ 【2期目】
第12章 Scene.11
 
 アイツが誰を指してるのかなんて関係ない。

 ただ、頭の中まで何かに覆い尽くされた時、オレの中で何かが変わった。

「あぁ。それと念の為………」

 翳していた手の指先を鳴らす。

 直ぐさま、伸びてるオレの頭元に、輪郭がぼやけたヤツが現れた。

「ソイツに見張らせるから。まぁ、どうしたってボクには敵わないと思うけど、馬鹿な事を考えないようにね。ソイツにも君は勝てないよ」

 含み笑いをしながら吐き出された言葉。

 分かってる。

 巫山戯た存在のくせに、ハナから勝てる気がしねぇ。

「ソイツが見えてる時点で成功したみたいだね」

 体が動く。

 床に座って両手を開閉する。

 見た目は何も変わっちゃいない気がした。

「てめぇ……オレに何を………」

「おっと。ボクに反抗的な態度を取ると………」

「ぐあっ?!」

 途端に全身が軋むような痛みが襲ってきた。

 頭が割れるように痛え。

「ぐあ……ぁ…あぁっ………」

 頭を押さえて床を転がるオレを、コイツはニヤニヤして見ているだけだった。
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