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びっちカノジョ 【2期目】
第3章 Scene.02
「それくらいなら、別にアタシに言わなくても…」
ヤスが実は魔王だったとかなら話は別だけど。
「まぁ、長くて一年くらいっスからねぇ」
「意外と長かったっ!?」
数日だと思っていた予想を遥かに超えた長さだった。
「おふくろに言われちゃあ、イヤとは言えねぇっス」
「あ、納得」
拒否したらあのおばさんに何をされるか分からない。
おばさんが実は魔王だったとか言われたら素直に頷けそう。
「そんな訳でっスねぇ……姐御も準備しといて下せぇ」
「巻き込まれたっ!?」
アタシもとか訳分かんない。
「おふくろが………」
「分かったわっ。準備したら良いのねっ」
大半以上を肉欲が占めるアタシの本能が、おばさんに逆らっちゃイケないと警鐘を鳴らしてくれた。
「と、言っても………」
元々アタシに荷物なんてのはそんなに無い。
財布を入れたピンクのバッグだけ。
尤も、バッグの中は硬貨や紙幣が詰まってるけど。
「だったら、さっさと逝きますか」
何かニュアンスがおかしいような気がした。