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びっちカノジョ 【2期目】
第3章 Scene.02
 
「痛いっスよ、姐御ぉ…」

 頭に二段重ねのタンコブを作ったヤスの言葉を無視して進む。

 明るさと足元が舗装してあるだけにズンズン進む。

「あら?」

 突然現れた分かれ道。

 何の気なしに右へと進む。

「ちょ、ちょっと姐御っ」

 数メートル進んだところで、何故か慌てて追い掛けてきたヤスに首を傾げた。

「な、何よぉっ?」

「そっちは道が違うっスっ」

「はぁ? …じゃあ、こっちは何処に行くのよぉ?」

 単純に町に行くだけなら一本道でも良いはず。

 それなのに、わざわざ分岐させる理由が分からない。

「そ、そっちは………」

 言いにくそうにするヤスをジッと見る。

「え、えっと………」

 目を逸らすヤスをジッと見る。

「だ、だから………」

 ふーふー音が鳴らない口笛を吹き始めたヤスをジッと見る。

「あーっ、もうっ。 そっちは獣人たちのアジトっスよっ」





 行き場のない苛立ちがヤスのタンコブを増やした。
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