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びっちカノジョ 【2期目】
第3章 Scene.02
半ば呆れ返っていたときだった。
「やぁっ! それっ!」
「ボクは負けないっ」
遠くに聞き慣れた声と人影。
「こっちよっ」
「うわっ!?」
見付かったら面倒くさい。
ヤスの腕を掴んで傍の岩陰に隠れた。
一瞬で距離を詰めてオトコを引き摺り込む芸当が出来るなんて、この世界に馴染んできてるのかもしれない。
「一体なにを…あぁ……坊ちゃんと嬢ちゃんっスね………」
同じように身を屈めて、アタシの見てる方を見て察してくれた。
「こんなトコで鉢合わせにはなりたくないわぁ」
魔王がなんちゃら言ってたから、きっと旅立ったんだろうけど。
見送りの時にも居なかった。
まさか、まだこんな所に居るとは思ってなかった。
「一緒に旅するの拒否ったけど………」
「いやぁ……アレは………」
数十メートル先で展開されてる戦闘。
アタシとヤスの顔には苦笑しか浮かんでこなかった。