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第5章 Scene.04

　
「…囲まれてるっスよ」

「あらあらぁ………」

　四方を狼の頭をした獣人に囲まれていた。

「コイツらは…知性が無いヤツらっスね………」

「アレだけヨダレ垂らしてれば…何となく分かるわぁ………」

　明らかに、豪邸を襲撃してきた獣人たちとは違うタイプ。

　ギラついた目と、耳元まで裂けた口から鋭い牙を覗かせて唾液を垂らしてる。

　本能でしか動いていないと分かる。

「てか……何で姐御…そんなに余裕あるんスか………」

　斧を片手に身構えてるヤス。

「前にアレだけヤられてトラウマになってもおかしくねぇっスよ？」

「あぁ…アレ……ねぇ………。
　………大乱交したとしか思ってないんだけどぉ………」

「それに、こんなデケぇヤツら………アッシでもキツいっスよ」

「確かに…アタシたちより大きいけど………。何か…ねぇ………」

　筋骨隆々の体型をした獣人たち。

　二メートルはあると思う身長。

　そんなのがウジャウジャ。

「…なぁんか…大丈夫な気がするんだけどぉ………」

「………その肝っ玉の強さは…なんなんスかねぇ………」