この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
先生とわたし。
第5章 二人きりの放課後
「先生は、なんで教師になったの?」
「昔お世話になった恩師に憧れてね。」
「ヘー、 そうなんだ。私もなりたい仕事見つかるのかな。 この時期なのに、決まらなくて。」
優は、美容の道に進まないかと仄めかす長江の、それが示唆する意味に、どう答えていいかわからずに、曖昧なままにしていた。
「絶対見つかる。いろんな人の話を聞いて、視野を広げると良いよ。」
「じゃあ、先生の話をいろいろ聞いても良い?」
「良いよ。」
「先生は、恋人いるの?」
「いないよ。朝倉はいるのか?」
「いないよ。でも好きな人はいるよ。」
「朝倉だったらすぐに付き合えるんじゃないか。」
「本当?」
「大丈夫だよ。」
「じゃあ、先生付き合ってくれる?」
「何言ってんだ、朝倉・・・」
「だって、 さっき付き合えるって言ったじゃん。私、先生の事好きだもん。」
「ちょっと待て、なんで俺なの?」
「一目惚れだよ。それに私、年上しか興味ないんだ。ずっと見てたの、気づかなかった?ダメ?」
「教師と生徒はまずいだろ・・・暗くなってきたし、帰るぞ。」