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先生とわたし。
第7章 一期一会
優は、遠い所、会えるかどうかもわからない不確かさを超えて自分に会いに来てくれた、その気持ちに応えようと、高揚する気持ちを一生懸命伝えた。
「よく覚えてたね、そんなこと…うれしぃ。」
「あの時の優ちゃんが奇跡を魅たような気持ちにさせてくれたからね。確証はなかったけど、会えるって思った。それにそう思ったら、居ても足っても居られなくて、また会いたいなって思ってさ。」
「夢見てるみたい。いつまでいるの?」
「2、3日はいるよ。今日学校終わった後、空いてる?送って行くよ、乗って。」
「ん、いいの?カッコいいね!赤いスポーツカーで登校なんて自慢。ふふふ」
車内に乗り込むと思っていたよりずっと地面に近く、路面にタイヤが吸いつき加速する感覚が伝わって来る。
エンジン音が低く躯に響き、その見慣れない位置から眺める街並みはいつもとはまるで違う場所のようだった。
両脇に並ぶ建物は遥か高く感じられ、その隙間を縫うように走る車の疾走感は、優に初めての高揚感と景色を与えた。
二人は、放課後あのバス停で落ち合う約束をして
別れた。
彼は、名前を斎藤 司(さいとう つかさ)と名乗り、23歳だと告げた。
どうしてこの二人が知り合ったかと言うと、それは・・・