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先生とわたし。
第7章 一期一会
優、高校2年生の夏休み───
それは、夏期講習の前半が終わった、短い夏休みのことだった。
白いワンピース姿の優。
長江のうちからの朝帰りである。
家の近くのコンビニで、何か買って帰るつもりで、ひとつ手前のバス停で降りた。
コンビニの駐車場の脇に、目黒ナンバーのオフロードバイクが停まっていた。
優は、中学生の頃読んだ小説から、オートバイに憧れており、そのバイクがどうしても気になった。
長い距離を走って来たんだなぁ・・・
幸い、地図と睨めっこしていた青年は優しげで、優はなんとなく話しかけてみた。
「バイクでここまで来たんですか?」
顔をあげ、優を確認したその彼は、気さくに話に応じた。
「そうだよ。」
「カッコいいね!わたし、バイクに憧れていて、なんとなく話してみたくて声をかけたの。」
「女の子もたくさん乗ってるから大丈夫だよ。」
「ねぇ、待ってて。なんか買って来る。時間ある?」
「あるよ。急ぐこともないから。今日は湯布院あたりに行ってみようかと思ってたんだ。」
「じゃあ、わたしのとっておきの秘密の場所教えてあげる。ねぇ、一緒にいこ。」