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先生とわたし。
第7章 一期一会
その場所は、優が高校入学するにあたり、今のアパートに越してきて、散策していて見つけた場所だった。
遠くから見て、なんだかわからない土地が山の中腹近くにあり、興味を引かれた優は、ひとりその場所に人目につかないように忍び込んだ。
それからそこは、優の秘密のお気に入りの場所となり、秘密を共有してもいいと思った人を連れて来るようになった。
両親との暮らしの中で、イヤなことがあると優はひとり、屋根に上っては夜中よく星空を眺めた。
大宇宙空間の中では、自分の存在などとるに足らないものであり、そのちっぽけさを思うと悩んでいる自分が阿呆らしく、悩みもなんだかどうでもよくなった。
悠久の時の流れの中では、どんなに足掻こうとすべてはそこに溶け込むと、優はとても心が穏やかになった。