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先生とわたし。
第7章 一期一会
登りきった場所はかなり広く、整地されており、短い下草が生えていた。
司は変電所か何かを作る際の予備地だったのだろうかと思った。
前方真ん中に2メートル四方程のコンクリートがあり、ちょうど眼下に広がる街を眺めて憩うには最適になっていた。
そこから見る景色は思ったよりずっと壮観で、優が連れてきたがった理由がわかった気がした。
土地自体が高い場所だったようで、遠く海まで見渡せた。
街を流れる車や電車の行き交う様子、真正面には遠くテレビの鉄塔が建てられた高い山が見えた。
ふたりは並んで座った。